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此処は株式会社「トミーウォーカー」が運営するWTRPG「シルバーレイン」に登録しているキャラの日記です
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大帝の剣、回収されたんですね・・・
次の戦争は、やはりこれを壊すのでしょうか・・・?

ヨーロッパの動きも気になります・・・
今年の卒業生が無事に戻る事を祈ってます、ね・・・


(続きはお馴染みのSSです。自己責任でお読みください)

夕暮れ時。
彼女はずっと本と睨めっこをしていた。
今日の仕事はもう終わり。
後の時間は自由時間となっていた。

「あれ?クレハ、それ何読んでるんだ?」

黒長髪の少年がそんな彼女に声をかける。
彼は能力者ではなく、一般人。
幼い頃からクレハと一緒にテントで働いている幼馴染のような人。
彼女が歌い、彼が舞う。
それが彼らのテントでの役割だった。

「あ・・・真斗。久しぶりに鯛焼きを作ろうと、思うのですが・・・」
「へ?鯛焼き?そういや、昔おやつとかで一緒に食べたっけなー?でも、なんで急に鯛焼き?」
「食べたくなったんです。・・・お友達と会話していたら、急に」
「この前出来たとかっていう?・・・へー・・・でもお前、作ると数が容赦ねぇんだよなぁ・・・」

真斗のぼやきに、少し俯いてしまう彼女。
今の今まで作らなかった理由。
数が調整できず、作りすぎて彼に止められていたからだ。

「作るのはいっけどさ。俺にばっか後始末させんなよ?」
「その点は、大丈夫です。交換する、というお約束をとりつけてきました」
「交換?鯛焼きと何を?」
「鯛焼きと鯛焼きを、です」
「・・・それまた変な物々交換を。でも、それもちっと楽しそうだなー・・・」

彼は少し考えると彼女の頭を軽く撫でてやる。
彼女は少しくすぐったそうにそれを受ける。
傍から見れば、兄弟のようにも見える光景。

「交換してきたら、俺にも少し分けてくれよ?」
「・・・はい、その時は半分ずつ、です」
「しっかし、クレハが行ってる学校。楽しそうだよなー・・・卒業しても行きたくなる学校って羨ましいぞー?」
「・・・・・・」
「俺も行きたかったのに、お前がヤケに反対すっから・・・何事かと思ったんだぜ?」
「すみません。・・・でも、真斗には此処にいて欲しかったんですよ。帰りを待っていてくれる人、というか。そういう家族が欲しかったですから」

彼女の言葉にそれ以上は言えない。
しかし、彼はその言葉を聞いて軽く笑んだ。
そう。二人は唯一の家族なんだ。
血は繋がっていなくとも、兄弟にはなれるのだ。
ずっと、ずっとそうして過ごし、生きてきたから。

「あ!後片付けはちゃんとしろよ?それと、ぼーっとしてんなよ?この前みたいに小火騒ぎになっから」
「・・・その節は申し訳なかったです。次からは、緊張感を軽く持って行うことに・・・」
「・・・・・・・・心配だからやっぱ俺も此処にいるわ」
「・・・そうですか?それじゃあ、中身は何にしましょうか・・・」

過ぎていく時間。
歌以外にやってみたいと思えた久しぶりの出来事。
キッチンは賑やかで、笑い声だけが響いてた。

彼は思う。
彼女は学校に行って変わった。
真っ暗な彼女の背に光が見えた気がした。
何時か、ずっと笑顔でいてくれるだろう。

今はただ、それだけを願い続けるのだった。
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